1月末の某日。
朝の9時すぎにピンポーン!とamazonから届いたのが以下の一冊。
『荒地の恋』
書店で見かけるたびに気になっていた本だけど、上製本だからか、なんとなく「その場で買う」には気合いが足りなくて、結局amazonに注文。それが重版時期のタイミングにでもかぶったらしく、大きな書店では平積みになっているのにamazonではずっと品切れに近い状態が続いていて、そういえば山本文緒の『再婚生活』
が出たときは、今回よりももっと長いことamazonでは品切れだったっけ。まあ、基本的に本は近所の書店で買うことにしているんだけどね。
ってことで、以下は年が明けてから買った本のリスト。
『ソニアのショッピングマニュアル 2 』
←1も楽しませてもらった。こういうモノ系のエッセイ付きビジュアルブックって、ながめるのが好きだけど、うっかり雑誌に手を出すと収拾がつかなくなるので、単行本のかたちでたまに手元に置いておく、ってのがお気に入り。
『合衆国再生―大いなる希望を抱いて』
←アメリカでの予備選が始まるまえから、なんとなく興味をそそられるキャラだなあと思っていたのと、たぶんこういう本はナマモノというか、いま読んでおくと海外ニュースがもっとおもしろくなるだろうということで、さっさと購入。しかし、すばやくこういう本をだす出版社はいったい……と思ったらダイアモンド社。なるほどね。まだ途中までしか読んでいないけれど、読みやすいし、なかなかおもしろくて、刺激的な本の匂いがする。
『越境者松田優作』
←ノンフィクションというか、「好きだったけどもういない人」の存在の痕跡をたどっていく、ある種の心の旅のような本に興味がある。この本はたぶん、そういう本にちがいないと即座に判断、amazonで予約をしてあった一冊。
『ナイフ投げ師』
←とりあえず新刊が出たら買うことにしている作家のひとり。
『新世界より 上』
『新世界より 下』
←新刊を心待ちにして、出たら絶対に発売日に必ず買うと決めている作家。
『生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)』
←言わずとしれたベストセラーの新書。なんとなく気になっているライターさん(複数)の雑誌やブログ日記で絶讚の嵐に近いのはともかく、作者が登場する対談コラムのようなものを読んで気になったので、いまさらながら購入。
『大人の見識 (新潮新書 237)』
←こっちも売れてるみたいですね。阿川弘之の海軍三部作は、新しいところでいくとコルトンの「ベルリン三部作」みたいな感じで、定期的にわが家のブームになっています。で、去年の秋ごろから、外で仕事するときに電車のなかで読む用の本ってことで、阿川弘之の『犬やさき人やさき』がカバンに入れっぱなしになっていて、あの世代の文士作家特有の「わずか数ページのエッセイ」がそれぞれ密度が濃いので、一気に一冊読むというのはしんどい(まあ、あくまでわたしの場合)。つまり、電車で移動するときの15分とか20分とかの細切れ時間に読むのにちょうどよかったわけです。ところが、年が明けてから、アルバイトのオフシーズンってこともあるのですが、思うところもありまして在宅生活へとモードを切り替えたところ、なかなかこの本も読了できなくなって、ついに我慢しきれなくなって、ソファに座りこんで息をもつかせず最後まで読んでしまった(原稿書きの仕事からの逃避ともいう)。おもしろかったので、どうやら同じ作家による「エッセイのエッセンス」みたいな印象もあるこの本を近所の書店で購入。
『禁断のパンダ』
←近所の書店で購入。いやはや、こういう本は手に取ってみないと発見できないなあ。ミステリとしてとか、ネタ(オチ)とか、エンディングへの好き嫌いはともかくとして、美味しいものが登場する本に目がないわたしとしては、めったにないくらいハイクオリティのものを読ませてもらったなあ、と。近い題材としては、梶尾真治や初期の筒井康隆などの作家が短篇で扱っていたけれど、長編で読むとまた味わいがちがう。次作がたのしみ。
●読んだ本で印象深かったもの。
なんといっても、何年ぶりかの貴志祐介の新作が読めたのが嬉しかった。ものすごくおもしろかった。遠い未来の人類(日本)の子どもたちの視点による冒険サスペンス。人類の総数が激減して、村という名前の小さなコロニーで暮らしている人びとは呪力という名の超能力をそなえていて、村の結界の外に生きているネズミやアリが進化したようなミュータントを使役して、彼らからは神とあがめられている。読んでる途中では「ページターナーとしてもっとも威力を発揮していた頃のクーンツやキングみたい」で、ともかくドキドキしながらページをめくって、後半になると
「ヨーロッパ(特にフランス)の寓話っぽいエンターテイメントとも比肩する味わい」だと仰天。うーん、これをいまの日本の59年生まれの作家が書いたってことがスゴイ。というか、あまり大きな声では言うべきではないかもしれないけれど、まじめな話、これに負けないくらいのおもしろい小説がたとえばフランス語でもいっぱい書かれていて、でもフランス文学というとまだまだステレオタイプのイメージが日本ではありがちなのは、翻訳&出版という飛び越えるべきちっちゃな壁がまだまだいいかたちでは乗り越えられていない、ってことに尽きる。いや、立場上、断言しちゃあマズイとは思うけどさ。ともかく、地道に頑張らねばと決心。いいエネルギーをもらった。
●DVD
フランスの映画作品をBGMっぽく流して見るのが最近のお気に入り。
『ペダル・ドゥース』は、人から勧めていただいて入手。『パリのレストラン』の主役のひとりでもあったジャック・ガンブランが、けっこう印象的な脇役として登場。日本での映画のプロモーションも同じような時期におこなわれたので、当時はインタビューなどでの話題にのぼることも多く、観たい……とずっと思っていた作品。『La Cage aux folles』を薄っぺらく加工したみたいな話。まあバカバカしくて、ともかく楽しい。ミレーヌ・ファルメールの「Sans Contrefacon」は、ふと気づくと一緒になって歌詞を口ずさんでいる自分がいたりして、爆笑。
『奥さまは名探偵』アガサ・クリスティの親指のうずき、というのが邦題というか、タイトルについた説明だったかな。アンドレ・デュソリエの出てくる映画って、ある意味ではわたしにとって「これぞフランス映画」って気がする。まあ、だからといってものすごく好きな映画ばかりかっていうと、そんなことはないんだけどね。せりふまわしがおもしろくて、何度でも見たくなる映画。ただまあ、実際の年齢とか、若くて子どもを生んだらそういうこともあるとかいう理屈はともかくとして、カトリーヌ・フロが「もうとっくに孫もいるマダム」というか、あの設定のマダムを演じるのにはかなり無理があるのではないかと。
そういえば、あの映画は知っている配給会社さんが買いつけた作品だったっけ。プロモートで監督や女優さんのインタビューをやるときに通訳の依頼があって、日程的に某音楽関係のイベントと重なるので、涙を飲んで友人に通訳をお願いした……んですよね、確か。いや、わたしが行くよりもよっぽど丁寧な通訳をしてくださったはずなので、映画関係者的にはそのほうがよかったはず。で、同じ配給会社が今年はジャック・リヴェットの『ランジュ公爵夫人(バルザックの原作で、原題はNe touchez pas la hache)』を日本で公開する予定、というお知らせがきていました。東京では岩波ホールで4月5日から公開。主演のひとりはギョーム・ドパルデューで、つい先日通訳したバイオリニスト某氏(笑)はギョームの妹であるジュリーと一緒に暮らしている。で、その某氏に会うたびにわたしは最近おもしろかった映画の話をきくことにしているのだけれど、そういえば前回はあんまり映画の話はできなかったなあ。一昨年おもしろかったと彼が挙げていたうちの一本である『善き人のためのソナタ』もまだ見てないし。